はじめに
私は子供のころ、工作がとても好きな少年でした。
夏休みや冬休みの工作の宿題にとても時間をかけて、みんながアッとおどろくような物を作っていました。
それ以来、ずっと工作はしていなかったのですが、数年前あるきっかけから再び工作を再開。(詳しくはこちら)
今は誰でも簡単に電子工作ができる時代になっていることに気付きました。
私のような工作好きだった大人や、今まさに夏休み、冬休みの工作を作ろうとしている子供たちにそれを伝え、一緒に電子工作を楽しみたいと思っています。
ふーん、そうなんだぁ。
じゃあ、電子工作ってどんなもの? 何から始めればいいの?
やっぱり電子工作といえば動くおもちゃだね。
何か動くものを考えて、見る人が楽しんでくれるかな?という想像をするところから始めてみよう。
いのプーが言ってくれたように、動くものを作るのは楽しいです。
私は、小学校の夏休み、冬休みの工作になるような何か動くものから始めるのが良いと思います。
動くものを作ることで、電子工作のキモであるマイコンボードの基本的な使い方を学べます。
マイコンボードの使い方を覚えるのが大事なのね。
マイコンボードってどこで買えるの? 自分で選べるかな?
いろんなマイコンボードがあるから、迷うかもしれないけど、竹のしんがしばプーにぴったりのマイコンボードを選んでくれるよ!
本記事では、私が電子工作におすすめするマイコンボードをいくつか紹介します。
その中でも小学校の夏休み、冬休みの工作のように、どこか(学校など)に持っていって、その場で動くものを作ることに重点を置くと、MakerUNO(メイカーウノ)を特におすすめしたいので、その理由を説明します。
なお、MakerUNOやその他のマイコンボードの使い方については、別の記事で説明したいと思います。
動きのある電子工作の例
学校などに持っていける電子工作の一例として、「信号機と踏切」の工作を例に説明します。
もちろん様々な電子工作が考えられるのですが、LEDによる光の操作やモーターによる動き、これが基本だと思っていて、その要素を含んだ一例が「信号機と踏切」の工作です。(下図)
あ、なんとなくわかる!
信号が光ったり、踏切の遮断機が動いたりするってことね。
もしかして車とか電車も動くの?
え、これすごくない? ほんとにこんなのできるの?
確かにしばプーが言ったことが全部できたらすごいね!
アイディア次第で全部できると思うけど、信号機と遮断機を動くようにすることから始めると良さそうだよ。
それでも十分すごいよね!
電子工作では、こういう動き(光も含めた)のあるものを作ることができます。
動きのあるものは見ていて面白く、人目も引くので「スゲーな、どうやって作ったの? やり方教えて!」って言われると思いますよ。
そうなったら、次はあなたが先生になって教えてあげる番ですね。
必要なもの
電子工作をするのに最低限必要なのは以下です。
- パソコン(Windows、MacどちらでもOK)
- マイコンボード
あ、パソコンもいるのね。
うちのパソコン、オンボロだと思うけど大丈夫かな?
パソコンは何でもいいみたいだよ。
パソコンはマイコンボードにプログラムを書き込むために使います。
性能は問いません。あれば何でも良いと思います。(20年前のものとかでなければ・・・)
例として挙げた「信号機と踏切」の工作を作るためには、パソコンとマイコンボードの他にLEDやモーター、配線といった部品が必要になります。
これら部品は作るものによって変わってきます。
マイコンボードについては、以降で紹介します。
おすすめのマイコンボード6選
私がおすすめするマイコンボードは下表の6つです。
それぞれ面白い特徴があって、作りたいものに応じて使い分けるべきとは思いますが、今回、夏休み・冬休みの工作(的なもの)を作るのに適した初心者向けマイコンボードという観点であえて1つ選ぶならMakerUNOが良いと思います。
値段(目安)※ | 無線通信 | センサー | DCモーター | ブザー | コメント | |
---|---|---|---|---|---|---|
MakerUNO | ○ 800〜900円程度 | × | × | × | ○ | とにかく安い、各IOピンに付いているLEDがデバッグに役立ち初心者向け、ブザーが意外と面白い |
GR-ADZUKI | △ 2800円程度 | × | △ 輝度 | ○ | × | DCモーター2個つなげるから走りものに良い、各ターミナルブロックが意外と使いやすい、初心者の工作向けに適している |
M5Stack ATOM Matrix | △ 1400〜2200円程度 | ○ WiFi, BLE | ○ 加速度 | × | × | この小ささで無線、加速度センサー付き、5x5のLEDも表現力大でコスパ良い、M5Stackは他にも多数のバリエーションがあり使いやすい |
micro:bit | △ 2200〜2700円程度 | ○ BLE | ○ 加速度、地磁気 | × | × | 5x5 LEDで表現力大、加速度・地磁気センサーと左右にあるボタンで直感型コントローラとしても活躍、別売のピン出しボードが無いとワニグチクリップなどで配線をつなぐ必要があるのが難点 |
obniz | × 5000〜7000円程度 | ○ WiFi, BLE | × | ○ | × | 全端子1Aの大電流が流せるのでDCモーターを直に駆動できる、AI画像認識が簡単に使えるなどクラウド側の機能が充実、WiFiでクラウドにつながっていることが前提 |
Raspberry Pi4B | × 6000〜1万円程度 | ○ WiFi, BLE | × | × | × | ディスプレイ、キーボード、マウスをつなげば普通にパソコンとして多くのことができる、Linuxを学ぶには良い |
※価格についても2020年9月現在、ネット検索で見つかる販売ページを参考にしてるため、今後、変動する可能性があります。
いろんな色や形のものがあって見ているだけで楽しいね!
そうだね。
作りたいものによって、向き不向きがあるみたいだよ。
上の表は、初心者向けの電子工作を作る際にポイントとなる項目に絞って比較しています。
本来、性能などもっと違った観点で比べることもできますが、ちょとした動くものを作る際には、マイコンボードの処理速度などは全く問題になりません。
MakerUNOをおすすめする理由
MakerUNOをおすすめする理由を説明します。
上でも述べているように、あくまで何か動くものを作ることに重点を置いて考えます。
LEDを光らせる
「信号機と踏切」の工作で信号機を光らせるためにLEDを使います。
LEDをマイコンボードにつなぐ際に抵抗を付ける必要があるのですが、抵抗付きのLEDが売られていて、初心者の方にはこれが使いやすいです。
抵抗付きLED |
抵抗を付けずにLEDを直接マイコンボードにつなぐとLEDは一瞬で壊れてしまいますし、マイコンボードも壊れてしまう場合があるので注意が必要です。
LEDの光を操りたい、という観点でいうとどのボードでも大丈夫です。
LEDを光らせるのはどのマイコンボードでもできるってことね。
そゆこと。
ただ、M5Stack ATOM Matrixは端子が6つしかないので、LEDの数が多くなってくると厳しくなります。
モーターを動かす
動くものにはモーターが必要になりますが、初心者向けのモーターは以下の2種類です。
DCモーター | |
サーボモーター |
おそらく、DCモーターの方が馴染みがあると思います。
ミニ四駆に入っているモーターがDCモーターです。
DCモーターは見たことあるけど、サーボモーターって知らなかった。
だよねー。でもサーボモーターの方が工作向きなんだって。
DCモーターは2つの端子に電池のプラスとマイナスをそれぞれつなぐとグルグル回り続けるモーターです。
走りものを作るにはDCモーターが良いのですが、少しだけ回して止めるなどの動作が不得意です。
一方のサーボモーターは、角度を指定してその角度になったら止まるというモーターです。
こちらは、例えば先ほどの遮断機のような動作や、手を振るといったかわいい動作ができるので、こちらの方が工作には使いやすいです。
このサーボモーターは上記全てのマイコンボードで動かすことができます。
サーボモーターもどのマイコンボードでも動かせるのね。
じゃ、マイコンボードはどれでもいいってこと?
まあ、そうとも言えそうだね・・・
でも、竹のしんによるとそれ以外にもポイントがあるみたい。
DCモーターはというと、表の○は追加部品無しでDCモーターを使えるという意味で、GR-ADZUKIとobnizのみになります。
DCモーターを動かすには大きな電流を流す必要があり、モータードライバという部品が必要になりますが、GR-ADZUKIとobnizはボード上にそれを載せた構成になっています。
走り物や扇風機のように回り続けるものを作りたいときは、これらのマイコンボードがやりやすいです。
音を出す
もう1点、工作を楽しいものにしてくれるのが、音だと思っています。
確かにー。
シーンとしてるより何か音が出ていたら楽しそう!
だねー。音がなってると何かな?と見たくなっちゃうよね。
音があるかどうかで作品の楽しさがかなり変わります。
上の比較表にあえてブザーの項目を入れているのは、そのためです。
音についても、ブザーやスピーカをつなげば、どのマイコンボードでも音を出すことは可能ですが、ある程度の音量を出すのは以外と難易度が高かったりします。
その点、MakerUNOには最初からブザーがボードに乗っていて、とても簡単に音が出せます。
結論
上記をまとめると、LEDやサーボモーターを動かすならどのマイコンボードでも良く、音が簡単に出せるのはMakerUNOです。
比較表のコメント欄に書いたのですが、MakerUNOはIO端子にそれぞれLEDが付いていて、端子の電位(電圧)がHIGHなのか、LOWなのかが目で見てわかるようになっています。
これは意図通り端子を制御できているかの確認に役立つので、初心者にはとてもありがたい機能になります。
それ以外に値段が安いというのも、おすすめしたいポイントです。
工作するのに何千円もするマイコンボードを使うのか?と思いますよね。
MakerUNOは、本家ArduinoUNOの互換品なのですが、3000円くらいする本家と同じことができて、さらに端子毎のLEDやブザーも付いて1000円以下というのは、かなりお得感があります。
”安い”ということは、それだけで電子工作のハードルを下げてくれています。
以上より、みんなをアッと言わせる夏休み・冬休みの工作を作るという観点で選ぶなら、MakerUNOをおすすめします。
次のステップ
比較表には、上で説明しなかった無線通信とセンサーという項目があります。
MakerUNOで動くものの作り方がわかったら、次のステップとして加速度センサーや無線通信を利用した電子工作にトライしてみるのが良いと思っていて、参考のために載せました。
まとめ
初心者の方におすすめする工作は、LEDを光らせたり、モーターで動くものです。
そして、音があると工作がより楽しいものになります。
それができるマイコンボードとして、以下の理由からMakerUNOをおすすめします。
- お手頃価格であること
- LEDがたくさん付いていて学習向けであること
- ブザーが付いていて音が鳴らせること
なんとなくMakerUNOを使えば楽しい工作ができそうな気がしてきたよ。
でも使い方がわからないなぁ。
そうだよね。
MakerUNOの使い方については、竹のしんがまた別の記事で説明してくれるよ!
はい、今後、MakerUNOの使い方についての記事を書いていきます。
さあ、MakerUNOを買って電子工作を始めましょう!