電源を入れてもすぐに落ちてしまうCHUWI AeroBookの修理

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Repair CHUWI AeroBook

CHUWI AeroBookはスタイリッシュなパソコンですが、電源を立ち上げるとすぐにシャットダウンしてしまったり、電源立ち上げとシャットダウンを繰り返す故障が頻発する機種のようです。

私がジャンク品として購入したAeroBookもこの症状で、ネット検索すると、こちらのような記事が見つかりました。

対処方法として、

①メニューキーを押しっぱなしにする(キーを押した状態で接着剤で固定、または、クリップ等の金属でショート)

②キーボードのフレキケーブルの27, 28番ピンをハサミで切ってコネクタにつながない状態にする

などが紹介されています。

②の方法を取ると電源をONできなくなってしまうので、27番ピン(コネクタ側)とGNDから配線をつなぎ、PC外部に引き出して自作の電源スイッチを増設する必要が生じます。

どちらの方法も見た目が悪くなったり、メニューキーが使えないなどのデメリットがありますね。

本記事で紹介する方法は、①②とは異なり、見た目や機能の悪化のない修理になります。

同じ症状の2台のAeroBookを修理しましたが、1台目の方法が2台目では機能せず、追加する回路を変更したため、修理の方針は同じであっても追加した素子は異なるものとなりました。

以下の動画に修理のようすを収めていますので、よろしければご覧ください。

使用環境

項目内容
PCCHUWI AeroBook
エナメル線Enamel Wire
先細半田ゴテHandagote
細幅半田Sodering Wire
フラックスFlux
1MΩ抵抗器Resistor

対策の検討

何も対策しない状態のときの27番ピンの電圧と、冒頭の①の対策(メニューキーを押しっぱなしにする)の状態のときの電圧にどのような違いがあるのかをまず観察しました。

対策しないときの27番ピンの状態

電源ボタンを押すと、0V付近になり、電源ボタンを離すと1V以下の電圧となり、電源が落ちていました。

①の対策(メニューキーを押しっぱなしにする)のときの27番ピンの状態

電源ボタンを押すと、0V付近になるところまでは同じ。

電源ボタンを離すと3V程度の電圧になるという違いがありました。

修理方針

上記の違いから、電源ON後に通電する3.3Vラインから配線を引っ張り、27番ピンにつないで電圧を上げることで電源が落ちなくなると予想しました。

修理方法(1台目)

まず、裏蓋を外します。

ヒンジ側の衝撃吸収ゴムの下にネジが隠れているので、注意してください。

ネジを外したら、隙間にピックなど入れてスライドさせると、爪でひっかかっている部分が外れて開けやすいです。

ヒートシンクについているサーマルパッドの下に隠れているネジを外し、ヒートシンクを取り去るとマザーボードにアクセスできるようになります。

下図のように、3.3Vの電源ラインに1MΩの抵抗を半田付けし、さらにエナメル線で抵抗のもう一端とキーボードのコネクタの27番ピンを接続します。

エナメル線は絶縁被膜で覆われていますが、半田ゴテで熱を加えると被膜が溶けるので、半田付けすると導通します。

半田付けしない配線部分に半田ゴテが触れてしまうと内部の導線部分が露出して、他の素子とショートしてしまう可能性があるので、半田ゴテが触れないように注意してください。

Repair wire

27番ピンは写真のコネクタの上から2番目のピンになります。

とても小さな形状で、半田も乗りづらいので、フラックスを塗ってから細い先端の半田ゴテと0.3mmなどの細い半田を使うと良いです。

回路図で追加素子と配線を表現すると以下になります。

修理方法(2台目)

2台目は1台目と同じ方法(1MΩ抵抗追加)では、十分に27番ピンの電位を上げられなかったので、100kΩ, 10kΩ, …と徐々に抵抗を下げてトライしました。

2kΩのときに3V程度に上げられたのですが、瞬間的に0.8V程度まで下がることがあり、それによって電源が落ちてしまいました。

1kΩまで低抵抗にすると、電源ボタンが効かなくなり、電源をONにできなくなってしまいました。

そのため、抵抗は2kΩにして、瞬間的な電圧降下は容量素子でカバーすることを思いつき、以下のように100nFの容量を27番ピンとGNDの間に入れることで、電源投入後は安定して3V程度をキープできるようになりました。

試行と考察

最初は3.3Vラインから抵抗無しでショートさせたり、1KΩの抵抗でつないだりしてみたのですが、この場合、電源ボタンONで27番ピンの電位を0Vに落とせず、電源をONにできなくなってしまいました。

3.3Vラインからの接続が低抵抗過ぎて、キーボード側で電源ボタン押下時に0Vに下げようとする操作を妨げてしまうということですね。

逆に高抵抗過ぎると、何らかの不具合により27番ピンの電圧を下げようとする挙動に反して電圧を上げることができなくなってしまいます。

同じ症状の故障であっても、壊れ具合が異なるのか、3.3Vへの引き上げ度合いを調整する必要があることがわかりました。

抵抗器は複数用意しておいて、27番ピンの状態をモニターしながら、対処療法的に抵抗値を選択してあげることになると思います。

また、容量素子をつなげることで瞬間的な電圧降下の対策になることも確認できました。

まとめ

電源がすぐに落ちてしまう症状のCHUWI AeroBook 2台の修理に成功しました。

キーボードの27番ピンに対し、マザーボード基板上の3.3Vを抵抗を介して接続することで、何らかの不具合により電源ON後に27番ピンの電圧を下げようとする挙動に反して3.3V側に持ち上げることで、電源が落ちずに問題なく使えるようになりました。

2台目の方のみ、抵抗だけでは瞬間的に電圧が下がることがあったので、容量素子も追加することで電源が落ちなくなりました。

27番ピンへの半田付けは、とても細かい作業になるので、ある程度慣れている方でないと難しいと思いますが、メニューキーを押しっぱなしにするなどの対策よりはスマートだと思いますので、チャレンジする価値はあると思います。

27番ピンはメニューキーが関係していることから、この修正後にメニューキーが使えなくなるかもしれないと思いましたが、そのようなことはなく、問題なく使用可能でした。

同じ症状で困っている方の参考になれば幸いです。

なお、本記事の方法は、PCを壊してしまったり、新たな問題を引き起こす危険を伴いますので、真似される方は自己責任でお願いします。

参考文献

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