2024年6月現在、Ubuntuの最新LTSバージョン24.04を古いノートPCにインストールしようとして、起動できない状態になるなど、いろいろハマったので、メモを残します。
本記事の内容は以下の動画にも収めていますので、よろしければ参考にしてください。
使用PC
以下の機器で試行しました。
項目 | 内容 |
---|---|
PC | HP ProBook 430 G2 |
OS | Windows10 |
ディスクのパーティションスタイルとBIOSタイプ
Ubuntu 24.04 LTSからBIOSタイプはUEFIしか受け付けなくなり、UEFIにするにはディスクのパーティションスタイルをGPTにする必要があるので、Ubuntuをインストールする前にWindowsの状態でこの変更をしておくと良いです。
まず、ディスクのパーティションスタイルの確認を行います。
Windowsの検索窓にmsinfo32と入力して、「システム情報」を実行します。
BIOSモードの内容がレガシーとなっている場合は以降の作業が必要になります。
次にWindowsマークを右クリック→「ディスクの管理」を実行します。
ディスク0など使用しているディスクを右クリック→プロパティを開き、「ボリューム」タブを開きます。
パーティションスタイル:マスターブートレコード(MBR)と表示されていたら、以下の処理が必要です。
Windowsの検索窓にPower Shellと入力し、Power Shell上で右クリックして管理者として実行します。
mbr2gpt /validate /disk:0 /allowFullOS
これで、MBR2GPT: Validation completed successfully.と表示されたら次のコマンドを実行します。
mbr2gpt /convert /disk:0 /allowFullOS
これで、MBR2GPT: Conversion completed successfully.と表示されれば成功です。
再度、ディスクの管理からプロパティ→ボリュームを確認すると、以下の値に変わっているはずです。
パーティションスタイル:GUIDパーティションマップ(GPT)
ここまで確認できたら、一旦シャットダウンして、BIOSを起動します。
BIOSが立ち上がったら、「ブートオプション」あるいは「起動オプション」のような箇所を探し、設定を「レガシー」から「UEFI」に変更します。
TPM無効化
続いて、BIOS設定の中からTPMの設定を探します。
セキュリティなどの項目に属することが多いと思います。
TPMの設定箇所を見つけたら、TPMが無効になるように設定してください。
トラブルシューティング
Ubuntuインストール後に起動しない
パーティションスタイルがMBR、BIOSタイプがレガシーのままUbuntu 24.04 LTSをインストールすると、インストール完了時の再起動後に起動できなくなります。
22.04のときにはMBR & レガシーでもインストールできたと思うのですが、24.04はUEFIのみになったようです。
新しいPCではGPT & UEFIになっていると思うので問題ないと思いますが、古いPCを使う場合は特に注意が必要ですね。
Reset systemとメーカーロゴの無限ループ
黒い画面の左上に「Reset system」とだけ一瞬表示され、すぐにメーカーロゴになり、これらの状態を無限に繰り返すようになった場合、TPMを無効にするとUbuntuが起動できるようになりました。
まとめ
概要説明の部分に載せた動画のとおり、いろいろハマりましたが、何とかUbuntu 24.04 LTSをHP ProBook 430 G2にインストールすることに成功しました。
ポイントは以下の3つです。
- ディスクのパーティションスタイルをGPTにする
- BIOSタイプをUEFIにする
- TPMを無効にする
あらかじめ上記対応を行ったのち、Ubuntu 24.04 LTSをインストールすれば、すんなりインストールできると思います。
私と同じようにハマっている方の参考になれば幸いです。
文献紹介
Linuxの基本的な使い方からシェルスクリプトを使ったプログラミング、Gitによるバージョン管理など、エンジニアが知っておくべき基本的な知識について解説してくれています。
参考文献
- Ubuntuをインストールする際に、reset systemを繰り返して起動できないときの対処法(https://qiita.com/GANTZ/items/a6241a20c7e3f9b3e7fd)